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 Dr.友末のゼミ風景ふうけいよみもの

コラムだい39回 Dr.友末のゼミ風景ふうけい 「しっかり反省、しっかりえ」

スポーツ選手せんしゅが負けたときによく使つか言葉ことばに、「反省」え」がある。
カープが失速したとき、新聞やネットに載った監督かんとく選手せんしゅの談話は、この2語のオンパレード。

「しっかり反省して、またえて明日あした試合しあいに臨みたい」
いつもいつも、おなじ談話でした。

 

スポーツで勝ちつづけるためには、「反省」え」必 要ひつようだ。
野球やきゅう、サッカー、ラグビーといった団体だんたい競技きょうぎだけでなく、
テニス、卓球たっきゅう、柔道、陸上りくじょうなど個人こじん競技きょうぎにおいてもそう。

 

ところが、話はそんなに簡単かんたんでない。その反省中身なかみ、これが問題もんだいになるのだ。
「反省」を、「結果けっかわるくなった原因げんいん整理せいりし、対 処 法たいしょほうかんがえ、どう修正しゅうせいするか明 確めいかくにする作業さぎょう

と定義すると、原因げんいん正 確せいかく分析ぶんせきすることが大 前 提だいぜんていとして重要じゅうようになる。

 

「そんなこと、かってます」とわれそうだが、これがなかなかむずかしい。
よくあるのが、気 持きもちや意識いしき分析ぶんせきに留まっている、というケース。
たとえば、ピッチャーが「ボール先行がおおかったことを反省したい」とったとしても、
原因げんいん分析ぶんせき表 面 的ひょうめんてきだと、おなじことのかえしになる。

 

以前いぜん愛 知 県あいちけんのスポーツ科学かがく研 究 所けんきゅうじょで、選手せんしゅのパフォーマンスを科学かがくてき向上こうじょうさせる、
というプロジェクトに参加さんかしていたときのこと。
気 持きもちの問題もんだいではない。身 体からだ使つかかた根 本 的こんぽんてき問題もんだいつかった」というように、
おもわぬ原因げんいん発見はっけんされることがよくあった。
伸びなやんでいる実業団の野球やきゅうのピッチャーの分析ぶんせき実 際じっさいにあったのは、

 

【原 因】 ストライクをれようとおもいすぎ、肘にムダな力がはいっていた。
対 処 法たいしょほう】 ①れようとつよおもぎない。②肘のちからを抜きやわらかくうごかす。
修 正 点しゅうせいてん】 肘にはいるムダなちからを抜くために、テイクバックの時 点じてんで肘と首のちから同 時どうじに抜く。

 

このように、心 身 相 関しんしんそうかんう観点から選手せんしゅ分析ぶんせきし、原因げんいん明 確めいかくにすることができれば、
成績せいせき向上こうじょうに直結する修 正 点しゅうせいてんみちびき出される。

 

ただし、修 正 点しゅうせいてんが1つとはかぎらない。
2つも3つもたり、その選手せんしゅ修 正 能 力しゅうせいのうりょくえていることもあるので、
修 正 点しゅうせいてんてきたときはその都 度つど重 要 度じゅうようど」をけて提 示ていじし、
場 合ばあいによっては修正しゅうせいおこなえる状態じょうたいにするための「基 本 的きほんてき課題かだい」にり組ませることもある。
なんか、複雑な作業さぎょうでしょ・・・?

 

でも、名コーチ、名監督かんとくばれるひとなかには、これを簡単かんたんにやってのけるひともいる。
大リーグではこうした分析ぶんせきをするさいに、科学かがく者(アナリスト)がくわわることもあるという。
勝つために経験けいけんや勘と科学かがくを融合させる・・・カープも本 格 的ほんかくてきはじめたらどうですかね。
かねはかかるけど。

 

さてつぎえ」。これは、プロの選手せんしゅが度々使つか言葉ことばではない。
ミスをしたらいちいちなければいプレーができないようでは、レベルがひくい。
ここ一 番いちばんというときに、おおきな力は発揮はっきできない。
また、試 合 中しあいちゅうは途切れることなくプレーをつづけなくてならないので、
をわずか数秒でおこなえるようになっておく必 要ひつようがある。

 

こううと、「なにってんの・・・」と煙たがられることがあるが、
このかんがえをけるつもりはない。
わたしはチームプレーが苦で、個人こじん競技きょうぎばかりやってきたからそうえるのであって、
簡単かんたんえ」ができない場面ばめん団体だんたい競技きょうぎにはおおい、と実 際じっさいかんじる。

 

高校こうこう野球やきゅうが、とくにそう。
1つの凡プレーがチーム全 体ぜんたいに伝播したり、完ぺきにおさえていたのに突 然とつぜん崩れたり、
失敗しっぱいきずっているな・・・とかんじることがよくある。

 

ではどうすればよいか。 「えっ?」 とおもわれるかもれないが、
反省しない」というかんがかたも、れてみたらどうだろう。
もちろん、全然するなとうのではない。「反省時 間じかんをかけない」とい換えておこう。

 

もし反省をしなかったら、
「ありゃ、たれた。ま、そんなこともある。ったこっちゃない・・・」というかんじで、
がないのでという行為自体じたい不要ふようになる。い訳を捜すこともなくなる。

 

どうしても反省したいなら、適 当てきとうなところでやめよう。
そして、勝因分析ぶんせきのほうをみっちりったほうがよい。
しかし、この勝因を分析ぶんせきするということ。意外とおこなわれていないのではないか?

 

これはテニスで何 度なんど経験けいけんしたことなのだが、
本 人ほんにん無 意 識むいしきにやっていることが好結果けっかを生み、成功せいこう要因よういん本 人ほんにんまったく自覚していない・・・
こういうケースに非 常ひじょうおおく出くわすのだ。

 

これは、スポーツ場面ばめんかぎらない。
仕事しごとでも、会議かいぎでも、日常にちじょう生活せいかつでも、ひきこもり対策たいさくでもそうだ。
反省会はよくおこなわれるけど、「うまくいかなかったのがたまたま、運が悪かっただけ」
そんなときに、反省時 間じかんをかけるのは非生 産せいさん的な行為だ。

 

うまくったら「勝因」を細かく分析ぶんせきする。
そこに感覚かんかく要素ようそがあったとしても、だれにでもわかるように言語げんご化し、
たがいにつたうことに時 間じかんる。

 

カープが来年らいねんおなじことをり返さないようにするためのヒントは、
こんなところに隠されているようながする。
BクラスとAクラスの差なんて、紙一重なんだからね。