「月経周期とストレス」

日常（にちじょう）生活（せいかつ）には、気 付（きづ）かずに見落としていることが、数 多（かずおお）く存在（そんざい）します。

たとえば、男と女の相違点。

こころ、からだ、行動（こうどう）様 式（ようしき）は、男女（だんじょ）でどう違っているのか?

 

このような日（ひ）ごろ深（ふか）く考（かんが）えない事柄（ことがら）を、ちゃんと把握（はあく）しておくだけでも、

自分（じぶん）で自分（じぶん）をうまくコントロールできるようになり、ストレス耐性（たいせい）も向上（こうじょう）していきます。

 

そこで今回（こんかい）は、女性（じょせい）自身（じしん）もあまり理解（りかい）していない、また学 校（がっこう）でも絶対（ぜったい）に教（おし）えてくれない、

月経周期とコンディションの関係（かんけい）について、少（すこ）し詳（くわ）しく触（ふ）れておくことにしましょう。

では、保健（ほけん）の授業（じゅぎょう）、開始（かいし）です。

 

女の人（ひと）が大 人（おとな）の女性（じょせい）に成長（せいちょう）し始（はじ）めると、月経が始（はじ）まります。

月経とは、ある一定（いってい）の周期で子宮から出血することで、

「生理」または「メンス」とも呼（よ）ばれます。

 

ときには、「女の子（こ）の日」「乙女の日」「血祭り」「ペリー来航」「第（だい）3次世界（せかい）大戦」

「今（いま）、ナウでさ～」といった不 思 議（ふしぎ）な言（い）い方をしたり、

「アレになっちゃった」というように代名詞を使（つか）うことが、女子（じょし）大ではよくあります。

 

それで、最初（はつ）の月経(初潮)は11歳（さい）前後（ぜんご）。周期はだいたい1か月（げつ）。

そして、出血期間（きかん）は3～5日（　）というのが平均（へいきん）的なところです。

 

さて、ここで注目（ちゅうもく）したいのが、月経周期。これは、女性（じょせい）ホルモンによってコントロールされているので、心 身（しんしん）にも少（すく）なからず影響（えいきょう）を及ぼします。

覚（おぼ）えやすくするために、特徴（とくちょう）のある期間（きかん）に、かわいい名 前（なまえ）を付（づ）けておきましょう。

 

まず、月経期間（きかん）。子宮の大掃除をする大切（たいせつ）な期間（きかん）です。

こころとからだが生（う）まれ変わるという意味（いみ）で、【リセット期】名付（づ）けましょう。

 

次に、月経が終（お）わった1週間（しゅうかん）後。体調（たいちょう）が良（よ）く、女性（じょせい）が最（もっと）も輝く時 期（じき）です。

名称は【キラキラ期】。わずかに1週間（しゅうかん）しかないのは残念（ざんねん）ですが、

この期間（きかん）の女性（じょせい）の表情（ひょうじょう）を見（み）て惚れ込（こ）んでしまった・・・という男性（だんせい）は多（おお）いのです。

 

そして、排卵後の1週間（しゅうかん）。体調（たいちょう）が良（よ）くも悪（わる）くもなし、といった穏（おだ）やかな時 期（じき）なので、

【ニュートラル期】と呼（よ）びます。

 

最後（さいご）に、月経の1週間（しゅうかん）前。体調（たいちょう）がすぐれず、心 身（しんしん）共（とも）に不 安 定（ふあんてい）になりやすいので【アンバランス期】と呼（よ）びます。

図:月経周期に伴う体調（たいちょう）の変 動（へんどう）。月経期間（きかん）初日（しょにち）を第（だい）1日（にち）、周期を28日（にち）とした場 合（ばあい）。(友末:2010)

 

女性（じょせい）は、大 変（たいへん）なのです。【アンバランス期】と【リセット期】には、

腹痛、腰痛、肌荒れ、ダルさ、といった身 体（しんたい）的な症状（しょうじょう）にとどまらず、

キレやすくなる、ストレスを感（かん）じやすくなる、といった心 理 的（しんりてき）症状（しょうじょう）も加（くわ）わるのが普通です。

 

また、やっかいなことに、この時 期（じき）は水分や脂肪（しぼう）がたまりやすいのに、甘いものが欲しくなります。よって、この時 期（じき）にダイエットを始（はじ）めようとしても、多（おお）くの女性（じょせい）は挫 折（ざせつ）します。

 

もちろん、すべての女性（じょせい）に、このようなはっきりとした心 身（しんしん）の変 動（へんどう）が、生（しょう）じるわけではありません。私（わたし）たちが調査（ちょうさ）したところでは、5名（めい）のうち4名（めい）はだいたいここで説明（せつめい）したようなパターンになる、ということが分（わ）かっています。

 

男性（だんせい）の皆様（みなさま）方。

女性（じょせい）にはこのように、からだにもこころにも周期性があり、そして現実に、月経中やその前にコンディションが悪（わる）くなる女性（じょせい）が多（おお）い、ということを忘（わす）れないでください。

 

「彼 女（かのじょ）どうも虫の居所が悪（わる）いな」「妻が家の中（なか）でゴロゴロしてばかりいる」というとき、

「しっかりせんか!」「怠け者!」と頭ごなしに叱るのは、やめましょう。

もしかしたら月経中（なか）、ただそれだけのことかも知（し）れないのです。

接し方も周期に応（おう）じて変（か）えることができたら、そして、そういう細かい配慮（はいりょ）がさりげなくできたら、あなたのペースです。

 

女性（じょせい）の皆様（みなさま）方。

「なんでストレスが定期（ていき）的（てき）に襲ってくるの」「なんで急に甘いもの食（た）べたくなるの」と、

自分（じぶん）を責めていませんでしたか?

 

女性（じょせい）ってそんなものなのです。あなたのせいではありません。

ま～どうしても落（お）ち込（こ）んでしまうときがあるかも知（し）れませんが、

自分（じぶん）をいたわるということも、忘（わす）れないでくださいね。