たいぎいといって、散らかしたまんま。散らかってても、気にならない。
掃除が苦手な人は、よ~けおる。
( 注 : たいぎい = おっくう、 よ~け = たくさん、関西以西の方言 )
しかし、この掃除という作業。軽く見てはいけないのだ。
うまくやれば、身 体運 動能 力の向上をもたらすだけでなく、
ひきこもり支援の 「活動」 としても、役 立つ可 能 性がある。
お薦めは、トイレの掃除。
トイレはだいたい狭いし、洋式便器の形は複雑なので、大 変そうだということはすぐ分かる。
これを、ハンドル付きのタワシと、トイレットペーパーで行なう。
まず、便器。タワシを奥の方まで入れようとすると、
腕や脚の関節をぐにゃぐにゃにするくらい、力を抜かなくてはならない。
そして、床の部分。これを雑巾ではなく、トイレットペーパーで拭く。
力任せに擦るとグシャグシャに破れそうだけども、あえて雑巾は使わない。
要は、タワシとトイレットペーパーでトイレをきれいにするには、
身 体 全 体を柔らかくし、必 要な力だけを加減しながら身 体を動かすという、
高 度なテクニックが必 要になる・・・ということを言いたいのだ。
その難しさと言ったら、テニスのスピンサーブや、サッカーのアウトサイドキックの比ではない。
スポーツ科学の専 門 家から見ると、別にトイレ掃除でなくても、
調理、洗濯を上 手にこなしているときの動作は、
ムダな力の抜けた 「自 然 体」 を創る運 動と本質的には同じだ、ということができる。
このような動作は、スポーツ技能の向上だけでなく、首や肩の周りの 「コリ」 を取り、
疲労の低減や健康の増進に繋がって行く。
その昔、安田女子高校のテニス部が全国大会で活躍していたとき、
旅館を引き払う前にはチリ一つ残さなかった、と聞いたことがある。
礼儀・礼節とスポーツの実 力とが正比例するわけではないが、
旅館の人が驚くほどきれいに清掃できたということは、
高 度な身 体感覚を持った選手が多かったのではないか、と推測できる。
身 体を柔らかく使うことができれば、日常生活活動を高レベルで行なえるようになる。
そして、時 間はかかるかも知れないが、「精神の拘束」 というものを取り除いてくれる。
と、主 張したところで・・・
掃除がイヤな人にこんなこと言っても、なかなか取り掛かってもらえないのが現実だ。
じゃあ、どうする?
この疑問は、先日の安田女 子 大学で行われた講 演 会で解消した。
講演者は、整理収納アドバイザーの江川佳代さん。テーマは、
【 片付けを通じて人 間 力を磨く ~快適な生活を送るための提案 : 整理収納の効果と実践法~ 】
江川さんが言われるには・・・
住まいを整えるには、「整理・収納」 で土台を作り、その後に 「片付け・掃除」 を行う順序が重 要だ。
整理で物を区別すれば 「選択力」 が、収納を考えれば 「想 像 力」 が養われ、日々の継続は 「習 慣化」 へと繋がる。身の回りのことを自ら行うことは、自立への第 一 歩であり、社会へ出る基盤となる。
この一 連のプロセスは、引きこもり支援の現場でも、人 間 力を高める活動として大きな効果を上げている。
さあ、まずはトイレでなくても、拭き掃除をティシュでやってみませんか?
