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 Dr.友末のゼミ風景ふうけいよみもの

コラム第50かい Dr.友末のゼミ風景ふうけい心 理 的 安 全 性しんりてきあんぜんせい

 「会社かいしゃを元にする」 というセミナーに、何回なんかい参加さんかしてみた。

どのセミナーも士たかめるとって、ちいさなしあわせをかさねるとか、

仕事しごとくるしいという概 念がいねんてるとか、プラスの思 考 法しこうほう提 示ていじされていた。

そして、参 加 者さんかしゃおおくが 「わたしたちにもできる」 とあかるい表情ひょうじょうになっていた。

 

わたしはというと、あかるい表情ひょうじょうにはならなかった。なぜなら、

▪ このやり方で、本当ほんとうにうまくくのか?

最 初さいしょはうまくったとしても、息切れしてしまうんじゃないか?

▪ 不平や不満ふまんといったマイナスのことがえない組織そしきは、士が下がるんじゃないか?

と、批 判 的ひはんてきなことばかり頭に浮かんだからだ。

 

そして、本コラムでかえしてきたつぎの3つの法則・・・

▪ プラスであろうとすることが、ストレスになる。

▪ マイナスをけようとすると、ストレス耐性たいせいよわくなる。

▪ マイナス思考しこうでどんぞこちても、継 続 的けいぞくてきなプラス思考しこうつながる。

これがそのまま会社かいしゃ大学だいがくにおいても成りつのではないか、ということをかんがえていた。

 

実 際じっさい大学だいがくには色々いろいろかんがかたひとがおり、プラス思考しこうだけですすんでくのは不 可 能ふかのうだ。

問 題 点もんだいてんが次から次へとるし、崇高すうこうな建学の精神せいしんがあったとしても、つぶれるときはつぶれる。

さき講 演 会こうえんかいの提言をそのままってても、ほとんどやくに立たないだろう。

 

では、どうすればよいか・・・? わたしこたえははっきりしている。

 『心 理 的 安 全 性しんりてきあんぜんせい』 。これが保証ほしょうされる組織そしきえてくところから、スタートするのだ。

 

上の立場たちばひとに迎合しない。自分じぶんかんがえ、おもうこと、そして愚痴までも気軽きがる発 言はつげんできる。

これが心 理 的 安 全 性しんりてきあんぜんせいだが、まずは、学内にそのようなことがおこなえる場 所ばしょつくる。

そして、なんらかの問題もんだいしょうじたときは、気軽きがる対 話たいわかえし 、

その問題もんだい担当たんとうする部署に、采配を任せるようにする。

上のものは権限を委譲したら、口を挟まない。トップは方針ほうしん決定けっていしたら、責 任せきにんつだけ・・・

このように、わる部分ぶぶんを隠さずに直 視ちょくしできるような組織そしきが、成長せいちょうつづけていく。

 

さて、この気軽きがる対話たいわ重 要 性じゅうようせい

これは、前回ぜんかい紹介しょうかいした 『オープンダイアローグ』 の基 本 的きほんてきかんがかたでもある。

その際のポイントとしてげてあるのが、つぎの3点。

結 論けつろんすためにはなすのではない。

はな相手あいて理解りかいするための対 話たいわつづけていく。

対話たいわさいには 「先生せんせい」 とか 「部長」 とか呼ばないで 「さん」 けにする。

 

これらは、学生がくせい教員きょういん相談そうだんたときにも役っている。

学生がくせい教員きょういんえようとしない、はなしくだけ・・・と心けると、

たがいに確認かくにんできることが、すこしずつえてく。

それは、そのひとにとってはちいさな一歩いっぽぎないかもれないが、

気軽きがるにゆっくりやっていればなんとかなる・・・という柔らかな雰 囲 気ふんいきまれてくる。

 

オープンダイアローグの理論りろんや、そこで提 示ていじされている様 々さまざま工 夫くふうは、

会社かいしゃ大学だいがく学生がくせいを元にしようというときにも、そのまま使えそうだ。

そして、精神せいしん身 体しんたい拘束こうそくり除いてくれる・・・これはおどろきであり、あらたな発見はっけんであった。

 

 

上層部がちから組織そしきだと、不平や不満ふまんえない。

批判ひはんやマイナスなこともい易くするには、輪になって対 話たいわをする。

これも、オープンダイアローグで推奨されている工夫くふうの1つだ。

( イラスト : 渡辺泰秀 )