コラム第（だい）46回 Dr.友末のゼミ風景（ふうけい） 「現場（げんば）に役 立（やくだ）つ研 究（けんきゅう）を」

20年（ねん）ぶりに広島（ひろしま）で 「テニス学会（がっかい）」 が開催（かいさい）される。

会 場（かいじょう）は安田（やすだ）女 子 大（じょしだい）学、期間（きかん）は9月（がつ）13日（にち）(土)・14日（にち）(日)の2日（ふつか）間。

この学会（がっかい）の目 的（もくてき）は次（つぎ）の3つで、

 ①テニスに関（かん）する科 学 的（かがくてき）研 究（けんきゅう）の発展（はってん）に貢献（こうけん）する

 ②会員（かいいん）相互（そうご）の情報（じょうほう）交換（こうかん）や成果（せいか）の実用化（じつようか）を促 進（そくしん）する

 ③国際（こくさい）交流（こうりゅう）を図（はか）る

研 究 者（けんきゅうしゃ）だけでなく、選手（せんしゅ）・コーチ・一般（いっぱん）のテニス愛 好 家（あいこうか）の方 々（かたがた）の交流（こうりゅう）を大切（たいせつ）にしていこうという、

肩（かた）の凝（こ）らない学会（がっかい）だ。

以下（いか）に、今 年（ことし）の講演（こうえん）の内 容（ないよう）などを簡単（かんたん）に紹介（しょうかい）しておきます。

興味（きょうみ）の少（すこ）しでもある方（かた）は、お気軽（きがる）に覗（のぞ）いて見（み）て頂（いただ）ければ、ありがたいです!

詳（くわ）しくは、日 本（にほん）テニス学会（がっかい）HP https://www.jsts.website/ をご覧（らん）ください。

【 講演（こうえん）1 】 女子（じょし）テニス選手（せんしゅ）のサポートに活（い）かす月経（げっけい）とコンディショニング知識（ちしき）

 講師（こうし） : 内城寛子 ( 富士大学（だいがく） ) コーディネーター : 友末亮三 ( 安 田 女 子 大 学（やすだじょしだいがく）)

女性（じょせい）の月経（げっけい）という現象（げんしょう）は、男性（だんせい）にはなかなか理解（りかい）できないものの一（ひと）つである。

お互（たが）いに話題（わだい）にしにくいという雰 囲 気（ふんいき）があるし、教育（きょういく）現場（げんば）でも必 要（ひつよう）なことが教（おし）えられていない。

そこで、女子（じょし）のジュニア選手（せんしゅ）たちが月経（げっけい）に対（たい）してどのように対応（たいおう）しているのか明 確（めいかく）にした上（うえ）で、

選手（せんしゅ）、指 導 者（しどうしゃ）のみならず、すべての人（ひと）が知（し）っておくべき月経（げっけい）の基 礎（きそ）知識（ちしき）と具 体 的（ぐたいてき）対 応 策（たいおうさく）を紹介（しょうかい）する。

【 講演（こうえん）2 】 広島（ひろしま）から世界（せかい）へ 世界（せかい）で戦（たたか）うために必 要（ひつよう）なこととは !!

      ― 磯村志選手（せんしゅ）の育 成 法（いくせいほう）から日 本（にほん）男子（だんし）選手（せんしゅ）の育 成 法（いくせいほう）を考（かんが）える ー

 講師（こうし） : 磯村 忍 ( やすいそ庭球部（ていきゅうぶ） ) コーディネーター : 武田守弘 ( 広 島 文 化 学 園 大 学（ひろしまぶんかがくえんだいがく） )

日 本（にほん）男子（だんし）テニス選手（せんしゅ）の育成（いくせい）について、幅 広（はばひろ）く議論（ぎろん）していく。

磯村忍コーチの生（お）い立（た）ち、 磯村志選手（せんしゅ）の育成（いくせい）過程（かてい）、 日 本（にほん）男子（だんし）選手（せんしゅ）の育 成 法（いくせいほう）、 世界（せかい）で戦（たたか）うために必 要（ひつよう）な要素（ようそ）、 今後（こんご）の育成（いくせい）戦略（せんりゃく）・・・

これらの観 点（かんてん）を講演（こうえん）のポイントにしながら、磯村志選手（せんしゅ）の育成（いくせい）方 法（ほうほう）を具 体 的（ぐたいてき）に知（し）るだけでなく、

日 本（にほん）テニス界全 体（ぜんたい）の育成（いくせい）方針（ほうしん）を考（かんが）える貴重（きちょう）な機会（きかい）となると良（よ）い、と考（かんが）えている。

【 ワークショップ 】 サーブの打点（だてん）を高（たか）くするストレッチング

 講師（こうし） : 友末亮三、野中さおり、渡辺康秀、新沼正子（こ）、中山（なかやま）瑠七 ( 安 田 女 子 大 学（やすだじょしだいがく）)

友末研 究 室（けんきゅうしつ）では、ひきこもりの防止（ぼうし）・解決（かいけつ）につながるポイントとして、身 体（しんたい）の柔 軟 性（じゅうなんせい）に着 目（ちゃくもく）している。

心 身 相 関（しんしんそうかん）という言葉（ことば）があるように、精神（せいしん）に拘束（こうそく）があると身 体（しんたい）も固（かた）くなる。

「こころ」 を柔（やわ）らかくしていこうというとき、精 神 面（せいしんめん）に対（たい）する働（はたら）きかけだけでは効果（こうか）がなかなか現（あらわ）れない。「こころ」 だけでなく 「からだ」 にも着 目（ちゃくもく）し、両 者（りょうしゃ）を同 時（どうじ）にやわらかくする必 要（ひつよう）があるのだ。

では、どうしたら、固（かた）くなった身 体（しんたい）を柔（やわ）らかくできるのか・・・?

20年（ねん）以上（いじょう）試 行 錯 誤（しこうさくご）を繰（く）り返（かえ）し、誰（だれ）もが短 時 間（たんじかん）で柔 軟 性（じゅうなんせい）をアップできるという器具（きぐ）が完成（かんせい）した。

これがTWISTICK（ツイスティック）。

安田（やすだ）女 子 大（じょしだい）学と競 技 用（きょうぎよう）ボール製 造（せいぞう）の株式（かぶしき）会社（かいしゃ）ミカサとで、共同（きょうどう）開発（かいはつ）したトレーニング機器（きき）だ。TWISTICK（ツイスティック）は棒状（ぼうじょう）で、真（ま）ん中（なか）を境（さかい）に逆 方 向（ぎゃくほうこう）に回転（かいてん）できるようになっている。

両端（りょうたん）を持（も）ち、にぎって➡ひいて➡ひねって➡のばす という一 連（いちれん）の動作（どうさ）を繰（く）り返（かえ）すと、たくさんの筋肉（きんにく）が一気（き）に伸び、身 体（しんたい）が柔（やわ）らかくなっていくことが感（かん）じられる。

これまでのストレッチングでは、表面（ひょうめん）の大（おお）きな筋肉（きんにく）しか伸（の）ばすことができなかった。

しかしTWISTICK（ツイスティック）を使（つか）った動（うご）きでは捻（ひね）り動作（どうさ）が加（くわ）わるため、深 部（しんぶ）に捻（ね）じれて付着（ふちゃく）している小（ちい）さな筋肉（きんにく）も伸（の）ばすことが可能（かのう）になる。肩 甲 骨（けんこうこつ）には20個（こ）近（ちか）くの筋肉（きんにく）が付着（ふちゃく）しており、TWISTICK（ツイスティック）はそのすべての筋肉（きんにく）をスチレッチしてくれる。

肩（かた）こりの解消（かいしょう）にも大（おお）きな威 力（いりょく）を発揮（はっき）するだけでなく、疲（つか）れやすい、冷（ひ）える、ストレスがある、背（せ）が低（ひく）くなった・・・こんな悩（なや）みの解決（かいけつ）にも効果（こうか）があることが分（わ）かっている。

さて、テニスのサーブである。

TWISTICK（ツイスティック）を使用（しよう）すると肩 甲 骨（けんこうこつ）の可動（かどう）範 囲（はんい）が広（ひろ）くなり、腕（うで）が上方に10cm以上（いじょう）高（たか）く上（あ）がるようになる。ということは、ボール2個 分（こぶん）高（たか）い打点（だてん）でインパクトできることになるので、ネットミスが減（へ）るだけでなく、クロスのサーブの角度（かくど）を努 力 感（どりょくかん）なく大（おお）きくできるようになる。