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 Dr.友末のゼミ風景ふうけいよみもの

コラムだい36回「自動釣銭機じどうつりせんき

大 学 内だいがくない のコンビニの支はらいが、自動釣銭機じどうつりせんきになった。
お札をれるとおりがすぐにて、昼やすみの混雑こんざつ緩和かんわにもつながっている。

 

ところが、わたしはあまり恩恵おんけいかんじられない。
なぜかというと、小銭こぜにすくなくするための「足し算」という作業さぎょうしょうじ、
ぎゃく時 間じかんながくなってしまうからだ。

 

たとえば、合計ごうけい金額きんがくが459円のとき。
1000えん札をれると、おりは541円、とすぐに表 示ひょうじされる。
でも、わたしはその時 点じてんで「清算せいさん」といてあるタッチパネルを押さない。
財布さいふなか小銭こぜにがどのくらいあるか、という確認かくにん作業さぎょうはじまる。

 

もし、1円玉や5円玉がいっぱいあったら、1円4個と5円1個し、合計ごうけい9円ほど投入とうにゅうする。

すると表 示ひょうじは、550えんに変わる。
さらに、10えん玉がいっぱいあるときは5枚投入とうにゅうし、600えんというりの数字すうじにする。
こんなふうに、おりが100えん玉になるよう「足し算」をかえす。

 

っていた小銭こぜにみ合わせによっては、うまくかないこともある。
小銭こぜにれているうちに「あれっ?1円りんじゃん・・」となったとき、
1000えん札を追加ついか投入とうにゅうしたりすると、小銭こぜにりょう莫大ばくだいえる。
自動釣銭機じどうつりせんきによっては、おりではなく合計ごうけい金額きんがくしか表 示ひょうじしてくれない場 合ばあいがあるが、
足し算を間 違まちがったりすると、硬貨こうかがどんどんてきたりする。

 

ま~でも、だいたいはうまくいくわけで、そのときは破れそうな小銭こぜにれがすっきりするし、
気分きぶんもすっきりしてくる。

 

ところがこの気分きぶんうしろに並んでいる学生がくせいにはまったく伝わらない。
はやくして~」というようなかおをしながら、無言むごんで急かしてくる。
そりゃそうだろう。学生がくせいたちは一瞬のうちに、スマホでピッと会計かいけいます。
これが5びょうで済んだとして、わたしが30秒かかっていたら、6倍もながいことになる。

 

そんなわけで、わたしはレジで前のひとがのろのろしていても、あまりにならない。
お年りが財布さいふの中からスローモーションで硬貨こうかし、
きれいに並べてかぞえておられるときなど、「おひとりでおもの、ごくろうさま~」と、
そぞろにながめている。

 

しかし、限度はある。店員さんと世 間せけんはなしなどはじめたりされたら、
うしろで待っとるのがからんのか。早よせんかい」と、急にイライラする。

 

さて、この人を急かすひとに急かされるという感覚かんかく
最近さいきんはいろんな場めんで出くわすようになったが、だいたいはそのうちれることがおおい。

 

一 方いっぽうで、これがひと行動こうどうではなく自分じぶん
つまり「自分じぶんはこうあるべき」と自分じぶんを急かすという感覚かんかくになると、
れてしまわないほうがよい。

 

もちろん、この感覚かんかく自 分 自 身じぶんじしん向上こうじょうさせることもあるので、全否定はしない。
しかし、ときには「在るがままでいいじゃん」と、急かす感覚かんかくを捨て去るくらいでないと、
ココロとカラダに疲労ひろうが蓄積する。

 

その点で、ひきこもりのひとたち。そんなつかれとは無縁のようにえる。
   ①こころの赴くままき当たりばったり
   ②立派りっぱ自分じぶんになることに執着しない
   ③自分じぶんのワクワクすることだけをする
   ④ときには喪失とうこともできる
ひきこもりのひと特徴とくちょうをこう表現ひょうげんしてみると、
いつも急きてられている日本 人ほんにんにとって、必 要ひつようなことばかりじゃないですか!

 

そもそも人間にんげん、いつまでも向上こうじょうつづけることなんて、できるわけがない。
わかころ にこうおもったことは一度いちどもないが、70にちかづいたいま、とてもそんなふうにはおもえない。
果てしない競争社会しゃかいから降り、自分じぶんを急かす必 要ひつようのない空間にく・・・
それは、退歩ではなく進歩しんぽだとかんがえたい。