[プラス思考]=[良い]、[マイナス思考]=[悪い]。
これは、世に出ている自己啓発本の大 前 提です。しかし、人間の思考はそんなに単純ではありません。
「プラス思考」と「マイナス思考」、このどちらにも「良い」「悪い」の2種類があるのです。
この考え方に基づいて考案したのが、次の4つの思 考 法です。
①『積 極 的プラス思考』=「面白い」「楽しい」というような爽 快 感・達 成 感に基づく思 考 法。
自 然にそう感じているところがポイントです。
②『消 極 的プラス思考』=「頑 張ろう」「勝とう」というような前 向きな思 考 法。
努 力してそう思おうとしているところがポイントで、一 般 的なプラス思考がこれにあたります。
③『消 極 的マイナス思考』・・・「やっぱりダメ」「失敗するかも」というような後ろ向きの思 考 法で、一 般 的なマイナス思考とほぼ同じと考えてください。
④『積 極 的マイナス思考』・・・「ダメでもいい」「失敗して当たり前」というように、苦悩や絶望といったどん底を受け入れる思 考 法。
この4つの思 考 法は1ヵ 所に留まることはなく、ぐるぐる回るという関 係 性を持っています。よくあるのが、② → ③ → ② → ③、つまり、
『消 極 的プラス』→『消 極 的マイナス』→『消 極 的プラス』→『消 極 的マイナス』→・・・
というような、消 極 的思考の堂々巡り。この巡りから抜け出せなくなり、ひきこもりに繋がっていくケースが、日本ではよく見られます。
さて、ここで注目してもらいたいのが、② → ③ → ④ → ①、つまり、
『消 極 的プラス』→『消 極 的マイナス』→『積 極 的マイナス』→『積 極 的プラス』
の流れです。② → ③の流れは前者と同じですが、ここからプラスに戻らず、さらにマイナスに落ち込み、どん底の「積 極 的マイナス思考」に向かいます。
しかし、このどん底状態に留まらないのが人間です。
落ちるところまで落ちると、きっかけさえつかめば、一気に穏やかな「積 極 的プラス思考」に転化していく、というわけです。
私たちは、この「積 極 的マイナス思考」にたどり着いたからこそ心の安定が得られたという例を、数え切れないほど経験しています。たとえば、緊急事態の今、② → ③ → ④ → ①の流れの一例をあげると・・・
② → ③ 子どもがずっと家にいるなんて、相手するのに疲れた。もう、ママ辞めたい。
③ → ④ こんなとき、うまくいかないのは当たり前だ。もう、ダメママでいい。
④ → ① ダメママでも自分は自分。決めた! 人間は不完全なものだ。もう、これで行く!
この、マイナスからプラスに大きく転化する④ → ①の流れは、自分のことをあきらめ、
そして、開き直るという「葛藤」の中で生じます。
できない自分を認めると、精神に余裕が生まれます。
情けない自分から逃げないと決め、何かを始めることで、ストレス耐性は高まっていくのです。
プラス思考と言っても、良い面ばかりではありません。
プラス思考には、「自分の弱さを認めることができない」、「ストレスから逃げようとしている」というマイナスの部分も含まれているのです。
次回は、『積 極 的マイナス思考』が含まれている歌詞を、いくつか紹介していきます。
あいみょんの歌詞も分析してみますよ。