時代の流れや社会の変化は歌詞に現れる、ということを皆さんは知っていますか?
たとえば、みんなが前を向き、ラジオやTVに夢中になっていた高度成 長 期。
「頑張ればできる!」というプラス思考の歌詞ばかりでした。
キーワードとしては「希望」「再起」「夢」「愛」などが挙げられます。
一方、2度の震災に見舞われ、コロナ禍で閉 塞 感がさらに広がっている現在。
「泣いてもいい」「生きることは悲しい」などマイナス思考の歌詞が増え、キーワードは「生きる」「悲しい」「命」に変わりました。
プラスではなく、マイナス思考の歌が支持されるようになったのは、なぜか?
それは、落ち込んだこころを直視し、受け容れ、その上で前に進もうとしているからです。
これこそが、本コンテンツで提唱している、積 極 的マイナス思考です。
さて、思 考 法で分析しようとすると難しいのが、あいみょんの歌詞です。
たとえば、2年前に紅 白 歌 合 戦で歌った『マリーゴールド』。
歌詞には、昭和と平成のキーワードが混在するため、プラスとマイナスの2通りの解釈ができるのです。
マリーゴールドの花言葉にしても、マイナス(絶望・別れ)とプラス(愛・生きる)の両面が存在していることに、戸惑わされます。以下、少し歌詞を分析してみましょう。
麦わらの帽子の君が 揺れたマリーゴールドに似てる
(引用:あいみょん「マリーゴールド」)
プラスとマイナスの間を揺れ動いている、気持ちが定まらない、という雰囲気が感じられる。
あれは空がまだ青い夏のこと 懐かしいと笑えたあの日の恋
(引用:あいみょん「マリーゴールド」)
過去の恋を思い出しているが、マイナスに捉えると、絶望するほどの別れがあった・・
プラスに捉えると、愛しあった過去を思い出し、今からも一緒に生きて行く・・
この、どちらにも取れる。
でも不 思 議なくらいに 絶望は見えない
(引用:あいみょん「マリーゴールド」)
無理に言い聞かせていると解釈したら、マイナスになる。
実際、あいみょんは気持ちを紛らわせるような失恋ソングが多い。
遥か遠い場所にいても 繋がっていたいなあ
(引用:あいみょん「マリーゴールド」)
「遠い」にわざわざ「遥か」をつけたのは天国のこと?
もし彼女が天国にいるなら、別離でありマイナスになる。
雲がまだ2人の影を残すから いつまでも いつまでも このまま
(引用:あいみょん「マリーゴールド」)
困難を乗り越えて行こうと、プラス思考をしていると捉えると、
マイナスからプラスへと転化する積 極 的マイナス思考ソングになる。
こうして分析して見ますと、あいみょんの歌詞は結構奥が深いです。
プラスとマイナスの振幅が大きいところなどは、独特というか不 思 議な感覚の持ち主だと感じます。
デビュー当時は過激で怖い歌詞も書いていたので、「この人双 極 性障害? もしかしてひきこもり?」と感じたこともあったのですが、それは余計な心配でした。
あいみょんは歌っているとき呼吸が深く、お腹から(正確にはおへその少し下の丹田と言う部分)力が出ているときがあります。これが、彼女の元気の元かも知れません。
あなたも息を吸ったとき、丹田を意識して3~5秒くらい止めるような、長い呼吸を試してみませんか? 活力が湧いて来ますよ。