貧血とは血液中のヘモグロビンが減 少し、酸素が身 体に十分に行き渡らない状態の事です。
ひどいときには、動悸、息切れ、目まい、頭痛、発熱など、様 々な症状が出てきます。
中でも最も多いのが、鉄欠乏性貧血。
ヘモグロビンを作るときに必 要な鉄が不足していると起こり、女性によく見られます。
それにしても、なぜ、女性にばかり多いのでしょうか?
原因は、大きく2つあげられます。1つは、鉄の摂取量が不足しているという点。
女性の場 合は「体脂肪を落とす」と言って、ダイエットするケースが多く見受けられますが、
あまりに食事量を減らしたり、内 容に偏りがあったりすると、鉄不足を引き起こします。
もう1つは、月経により血液が損失するという点。
月経のある成熟女性には、子宮からの出血が毎月ありますが、その月経の日が長かったり、
血量が多かったりすると、知らず知らずのうちに慢性的な鉄欠乏になってしまいます。
ついでに言うと、妊娠中。おなかの中にいる赤ちゃんが優先的に鉄を確保しますので、
お母さんは普通の食生活をしていても、鉄欠乏になってしまいます。
では、この鉄欠乏性貧血。どうすれば治るのでしょうか?
バランスのとれた食事を朝・昼・晩きちんと摂るという当たり前のことが前提になりますが、
頭に入れておいて欲しいのは、次の3点です。
【1】鉄の多い食品を吸収率を上げる食品と一緒に摂る
貧血に特 効 薬のような効果を発揮するのが、レバーです。
レバーがキライという人は、貝類、ほうれん草、大豆、モロヘイヤなどがおススメ。
これらを、動 物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると、鉄の吸収率がアップします。
逆に、吸収率を下げるのが、お茶やコーヒーなどに含まれるタンニン。
食事中はもちろん、その前後にも摂り過ぎないよう注意しましょう。
【2】安易に鉄剤に頼らない
貧血がなかなか回 復しないときは、鉄剤を服用することがあります。
1~2か月服用し続けると、普通は回 復しますが、ここでやめてしまうとまた元に戻ってしまうので、さらに3か月以上続けるのがよい、とされています。
困るのは、鉄剤には腹痛・下痢などの副 作 用があるということ。
トイレに行く回数は、増えるかも知れません。
【3】鉄製の調理器具を使う
鉄製のフライパンや、鉄ナベ、鉄釜などは、鉄の補給に有 効です。
もちろん、フライパンをかじるのではありません。
調理器具から溶出し、食品に移行した鉄を食べるという訳です。
たとえば、黒豆を煮るとき。
昔から、鉄ナベで煮るか、古釘を入れて煮る方 法がとられていましたが、
これは黒豆に色を付けるだけでなく、溶出した鉄を食べるという意味があったのです。
皆さん、知ってました?
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(イラスト:NPO法 人FOOT&WORK渡辺泰秀)
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鉄欠乏性貧血は、どんなものを食べればいいの?