さる10月16日に行われた、サンフレッチェ広島とヴァンフォーレ甲府の天皇杯決勝。
延長の末1-1で勝負がつかず、PK戦になったとき、
「こりゃ、サンフレッチェの負けだな!」と、私は確信しました。
なぜかと言うと、円陣になってキッカーの順番を決めているときの両チームの雰 囲 気が、
全然違っていたからです。どういうことかと言うと・・・
甲府の吉田監督が、笑 顔で指示を出していたのに対し、
広島のスキッベ監督は、怖い顔で選手の気 持ちを振るい立たせようとしていました。
それ自体、別に悪くはないのですが、
そこに悲壮感のようなものが漂っていたのを、私は感じたのです。
「この雰 囲 気はよろしくない。監督の悲壮感や気負いは選手に伝染する。
サンフレッチェは誰かがミスるかも知れん。サンフレッチェは負ける・・・」
結果は、みなさんご存 知の通りです。
サンフレッチェは、プロのチームとしては、少し余裕がなかったですね。
いちいち監督に言われなくても、またしょっちゅう監督に反抗していたとしても、
集 中 力を高めるときは自己でしっかり集中する、これが本当のプロじゃないのか・・・
と、改めて思ったわけです。
そこで、すぐに頭に浮かんだのが、そう。プロ野球。広島カープです。
いま、新井新監督が期待されていますが、
人柄が良くて人望がある者が、監督を担うのが本当に良いのかどうか?
新井監督なら、100点満点で60点未満の野球をすることはないでしょう。
しかし、いざというときに100点が取れるのか・・・
何と言うか、チームが小さくまとまってしまうのではないか、と心配してしまうのです。
これまで、いろいろな種目の、たくさんのプロチームを身 近に見てきた経験から言えば、
いわゆる仲良し集団よりも、エゴ丸出しの変わった選手が何人もいる集団のほうが、
「ここ一 番!」というときに大きな力を発揮するケースが、間違いなく多いのです。
もし誰かがまずいプレーをしたら、「何をやっとるんじゃ!」と遠慮なく叱咤する。
監督の指導方 法に納 得がいかなければ、とことん話し合う。
そういう本音をぶつけ合える雰 囲 気に満ち満ちているのが、
勝利を目 指すチームのあるべき姿ではないかと思うのですが、
果たして、新井監督の下でそれができるか・・・?
もちろん、チーム作りの方針というのは複雑で諸事情もあるので、これ以上申しませんが、
来季、新井監督に是非ともやって欲しいのが、選手に対する『動』と『静』の使い分けです。
叱るときには激しく叱り、任せるときには静かに任せる。
このような、『動』と『静』の大きなギャップを巧みに使い分けることができれば、
プロ選手の攻撃本 能という、本 人でさえ気づいていない野性的な特質を、
引き出すことができると思うからです。
そういう意味では、私は前田(新)監督のほうが、見たかったです。
前田監督だと、下手すると100点満点の0点になる怖れもありますが、
120点の可 能 性もある・・・そんな監督のほうが、見ていてワクワクしませんか?
時事ドットコム 2022年10月17日(月) より
https://www.jiji.com/jc/p?id=20220524211658-0041806632
ピッチャーが打たれたときや、ピンチのときなど、頻繁にマウンドに集まるのは止めようね。