「鬱を予防するため、ひきこもりを改 善するため、マイナス思考をプラス思考に変えて行こう・・・」
このように思っている人は、多いはずです。
メンタルの専 門 家がそう言っているのを、耳にすることもよくあります。
でも、私の考えは全く違います。
「マイナス思考で構わない。プラス思考はほどほどがよい」
えっ? と思うかも知れませんが、その理由をひとことで言うと、次のようになります。
プラス思考は、マイナス思考の裏 返しになっているから・・・・・
つまり、「プラスになろう」と強く思えば思うほど、
マイナス面であるストレスが、増大してくことになるのです。
スポーツ選手の場 合で説明しましょう。
たとえば、一生懸命サーブを練習したテニス選手が、これから大事な試合に入ろうというとき。
「君はよく練習した! サーブは全部入る! 自信持って行け!!」と、
プラス思考のアドバイスをするのが、本当に良いのか?
もちろん、こんな元 気づけてもらうアドバイスが、効果を発揮することもあります。
しかし一 方で、プラスに思おうとするほど「サーブが入らなかったらどうしよう」という不安が大きくなる。そして、入らなくなったときに慌ててしまう。こんなケースもよく見られるのです。
逆に「君はよく練習した。でもまだ足りない。どっかでサーブは入らなくなる。でも何とかなる!」こんな、マイナス思考に基づくアドバイスはどうなのか?
これを、自分は弱いというストレスから逃げないようするためのアドバイスと捉えれば、
ストレス耐性の強化に繋げていくことも可能なのです。
前に紹介した本のタイトルになっている『積 極 的マイナス思考』は、この考え方に基づく思 考 法です。もともとはスポーツ選手がプレッシャーに打ち克つための思 考 法として編み出した考え方ですが、
一般の人 々のストレス解消や、鬱やひきこもりの予防にも大きな効力を発揮するという例を、
私はたくさん経験してきました。
次回以降は、『積 極 的マイナス思考』がどんな具合にあなたを助けてくれるのか、
詳しく説明していきますので、お楽しみに。
電子書籍です。2020年6月発行。